いい旅・夢Kiwi スカイキウィ
2007年
9月28日号
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ぽっかぽか通信
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18. ヘイリー

こちらは春真っ盛りですが、日本は秋ですものね。
今回は、秋の夜長に打って付けの音楽のお話しです。

おそらく、今現在日本で一番有名なニュージーランド人と言えば、歌手の「ヘイリー」だと思いますが、ご存じですか?
正式には、「Hayley Westenra」(ヘイリー・ウェステンラ)ですが、苗字が発音しにくいからか?日本ではファーストネームの「ヘイリー」だけで呼ばれています。

1987年4月10日、クライストチャーチ生まれ。
2001年2月、僅か13才でニュージーランドを代表するレコード会社ユニバーサルレコードと契約。2ヶ月後の14才の時にファーストアルバム「Hayley Westenra」を発表。
たった4週間で45,000枚のセールを記録し7月にはプラチナアルバムに。
この年齢、そして、人口400万に満たないニュージーランドにおいて、この数字は驚異的な記録になります。
12月には、世界的に有名なクラシックレーベルのデッカ(イギリス)と契約。デッカは、故ルチアーノ・パバロッティ、アンドレア・ボチェッリ、ラッセル・ワトソンそして3月に日本でさよなら公演を行ったニュージーランドを代表する世界的ソプラノ歌手‘デイム’キリ・テ・カナワも所属した名門レーベルです。

満を持して2003年に世界的にリリースされたアルバム、「ピュア(Pure)」はイギリスのクラシック・チャートでトップ、総合チャートで7位。世界での売上が200万枚に達したそうです。ビートルズの伝説的プロデューサー、‘サー’ジョージ・マーチンの息子、ギルズ・マーチンを迎え、ジョージ自身も一部プロデュースするという力の入れようは、当時でも若干16才にして恐ろしい才能の持ち主です。

こうして書き連ねると、なんだか肩肘張って襟を正して聞かねばならぬ音楽に思えますが、実際聞いてみると、そんな数字は全て吹き飛んでしまいます。
とっても心地良い歌声で、まさに心が洗われる気持ちにさせてくれます。

まだピンと来ない方も、TVドラマ「白い巨塔」で歌われた「アメイジング・グレイス」と言えば思い出すのではないでしょうか?
他にも、映画「ローレライ」で「モーツァルトの子守歌」、また、ブルボンのボイゼンベリー製品のCM、そして、2006年8月からケルティック・ウーマン(ユー・レイズ・ミー・アップで有名な)にも参加していますので、その歌声は必ずどこかでお聞きになった事があると思います。

2005年デッカから2枚目のアルバム(自身では5枚目)「オデッセイ(Odyssey)」を発表。
このアルバムに、モーツァルトの子守歌が収録されています。また、エンヤによるロード・オプ・ザ・リングのエンディング曲「May it be」も聞く事が出来ます。
オペラのソプラノを基本としながらも、祖父母から受け継いだケルト音楽が反映されたヘイリーの音楽を聞いていると、「退屈から」ではなく、「良い気持ち」でうとうとと、うたた寝をしてしまいそうになります!


それにしても、2000年なんて今の自分の年齢では、つい最近の出来事です・・・。
この年、ヘイリーは妹・弟と共に路上パフォーマンスをしていた訳ですが、友人家族から薦められて5,000ドルで作ったCD1,000枚の内の1枚が、今のエージェントの目(耳?)に止まり、ロンドンを拠点とし、日本にも何度も来日を重ねる世界的歌手と成長した訳です。
10代の10年というのはとても大きな物ですよね。事実、ヘイリーのアルバムを年を追って聞いてみると、明らかに成長の結果が分かるところも、また聞いていて面白い要素になります。
ともすると、単に綺麗なだけに聞こえた歌声も、アルバムを重ねる毎に声に艶が加わり音楽に深い味わいが加わっている様子が、素人ながらもはっきり実感出来ます。

高校生の頃まではクライストチャーチで家族と共に暮らし、ニュージーランドで大きなイベントがある際は出演し、国歌を歌うなどテレビで見る機会も多かったです。
それ故、成長を一緒に見守ってきたニュージーランド人にとって、彼女は一番の人気者であり、他の歌手・有名人とは一線を画す存在であるとも言えます。

親日家でもあるヘイリーは、今年4月にも来日し、BEGINのライブにサプライズ・ゲストとして参加もしたそうです(いいなぁー)。
今年3月に発売された「Treasure(邦題:私の宝物)」は、NZ版と日本版でジャケットも異なりますが、日本版のボーナストラックには、「涙そうそう」の英語バージョンも収録されています。
羨ましい・・・!
聞いてみたいけど、iTunesを持っていないので聞けないです。
誰か送って下さい(^_-)-☆
今年10月30日、福岡を皮切りに、日本ツアーが計9公演行われます。
この機会に、是非一度ヘイリーの生の歌声を聞きに行ってみてはいかがでしょうか?
ヘイリーについて興味を持たれた方は、ユニバーサルミュージックのサイト
http://www.universal-music.co.jp/classics/hayley_westenra/index.html
をチェックしてみて下さい。上記アドレスをクリックすると、新規に画面が開きます。

日本では、ほんと世界中の音楽が手ごろな価格で簡単に聞きに行く事が出来ますよね。
私も帰国した際は何かしらのライブを必ず聞きに行っています。
ヘイリーは、自分の友人に「母国を離れて旅する事は自分の人生のプラスになり、視野も広げ偏見も無くなる。また、故郷の良さにも気付く事が出来る」と、海外に出る事を薦めているそうです。
私も全く同じ意見。
日本を離れて海外に生活すると、いかに日本が良い国か実感できます。
話が逸れますが、そんな「良い国日本」で毎日のように事件が起こっている現実が寂しいですよね。
ヘイリーの歌声が、忘れかけている優しさを思い出させてくれたら良いですね。

(これだけ宣伝したら、ユニバーサルミュージックから日本版CD送ってくれないかなぁー  )


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