いい旅・夢Kiwi スカイキウィ
2004年
9月6日号
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ぽっかぽか通信
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11. 「ピアノ」の海岸 (2/3)

さて、映画の話はこれまでとして、肝心のカレカレ・ビーチについてご紹介します。
『オークランドから西に行った海岸に、「ピアノ」の撮影地がある』という事は以前から知っていたのですが、どの位離れているのか分からず、先月まで一度も訪れた事がなかった場所でした。
行ってみると、なんと片道1時間弱。海岸でのんびりしても、往復3時間あれば楽しんでくる事が出来ます。

雨続きの毎日でしたが、この日は朝から見事な快晴。下見のつもりで午後いつの時間に向かっても良かったのですが、「西に面した海岸」=「夕陽!」と思いつき、先に寄り道をしながら海岸へ向かいました。(到着してから気がついたのですが、日が少し傾きすぎていた! そのため、逆光の写真になってしまったんです。)

地図をご覧になってお分かりのように、途中緑色の部分、ワイタケレ山脈(Waitakere Ranges)という山並みを抜けていきます。標高300-400m程と、さほど高さはありませんが、そのうっそうとした原生林の山々の様子は、たった30分少々で大都会オークランドから行ける場所とは信じられない気分にさせられます。

山道に入ってしばらくの場所にある、アラタキ・ビジターセンターから、南側(地図の下側)のマヌカウ湾に向かっての景色です。
手前は貯水池です。オークランドの水瓶として、この地域にはダムがいくつもあり、トレッキング道もたくさん整備されています。
一日どころか、一週間かけてもおそらく足りないほど、リクリエーションの場所としても充実しています。
ただ、少しうっそうとし過ぎたきらいもあるかな・・?と、ロトルアの住人の私としては『絶賛』までの評価は与えられないかなぁーという感想です^o^v


少し寄り道をして、往復2分という、ラージ・カウリ・ウォークで幹の周囲が7mのカウリの木の撮影。
あまりに近くにありすぎて、フレームに収まりきれません!

この先、車で1分程度走った場所に、フェアリー・フォール・トラックという、『妖精の滝』を見に行くトレッキング道があります。往復3.2km、約2時間という事で、歩き始めましたが、雨で下がぬかるんだ急な下り坂、30分少々歩いてもちっとも水の音が聞こえてきません。昼間とはいえ、オフシーズンの平日。道路わきの駐車場にポツンと残してきた車も心配でしたので、心残りでしたが諦めて途中で戻りました・・・。

そして、カレカレ・ビーチに到着!
駐車場には、キャンピングカーなど、オフシーズンでも車で賑わっています。
車を止めて、荷物を担いで海岸まで数分歩きます。小石の並んだ小川を渡り、小さな丘を回りこむように進むと、見えてきました、「ピアノの海岸」です!
とにかく、遠浅で広い海岸。しかもタイミングよく干潮の時でしたから、その広さは圧巻です!

ワイタケレ山脈とこの地域の地形は、2千万年前からの火山の度重なる爆発により形成されました。
安山岩を基盤とする岩盤は、とても固く水を吸収しにくいため、上に降り積もった灰や、鉱物の破片が、NZ北島の火山活動による地殻変動の影響を受け、長年に渡り浸食作用が繰り返された結果、このように独特な黒い海岸線を生み出しました。
ロトルア近郊、ベイ・オブ・プレンティ地方の白い砂浜の海岸線を普段見慣れている私には、この黒く広がる海岸の景色から受ける圧迫されるような気持ちからか、畏怖心を持ってたたずむ場のように感じられました。

海岸から後を振り返ってみると、このような景色です。
右手奥の方に駐車場があります。
写真全てご覧のように、見事な天気の日でしたが、荒涼とした岩盤の様子と黒い砂浜に、「ピアノ」から来る先入観だけではなく、何か寂しいような、悲しいような風情を感じずにはいられませんでした。
NZの景色は、本当にいろいろな表情を見させてくれます。

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