29(1/3) アグロドーム・シープショー紹介
9:30am、11:00am、2:30pmの3回、毎日行われるシープショーは、もちろんショー・マンの登場から始まります。
客席から撮った写真ですし、絶えず動いているため、顔をはっきり撮る事が出来ませんでしたが、前号でご紹介した子供達の写真の中から見つかりますか?
自己紹介の次には、会場のお客さんの国籍全てを尋ねて、全員挨拶の賑やかなスタートになります。

ショーの主役、羊の登場です。
まずは羊の王様、メリノからご紹介。
19種類もの羊がステージに勢揃いします。
一匹ごとに丁寧な説明も行われ、客席ではヘッドフォン越しに通訳された解説を聞く事が出来ます。
まさに羊の歴史、貴重な講義を楽しく受けている感覚です。



ショー・アシスタントが右に左に走って、順番にステージへと誘導します。
ところが、ここの羊たち、教えている訳ではないそうですが、細かい芸で笑わせてくれます。
彼らもショーマンシップたっぷりの、立派なエンターテイナーですね!
そして、ステージ狭しと、19種類の羊が勢揃いしました。
「彼ら」と書きましたが、ここにいる羊たちは全て雄です。しかも、各種類のチャンピオン羊たちです。


役者が揃ったところで、いよいよ「羊の毛刈り」へ演目は進みます。

「舞台下手」から今日の犠牲者?じゃなくて、「散髪モデルさん」の登場です。
ステージの羊たちも、今日は誰かな?と、興味津々眺めているのが面白いですね。

「もこもこ」の羊がおどおどしながら隅の方に隠れようとします。
ステージの羊たちは、「いつもの事だ」と、寝る体制に入りました。


逃げ回る羊を捕まえて来ました。 |
そして両足の間に抱え込んで・・・。 もう、「まな板の上の羊」ですね! |

大人しくなった羊を、刈りやすいように抱え直します。

客席から見やすいように、毛刈りフロアーが迫り上がり、「AGRODOME」 の文字が見えてきました。
さあ、毛刈りの開始です!

まずは、汚れて売り物にならない部分・危ない(大事な)部分 (*^^*ゞ を先に刈っておきます。




作業はとても滑らかに進みます。
簡単そうにやっていても、この中腰の姿勢をずっと続けるため、強靱な体力が必要とされます。
ショー・マンのシェーンも、子供の頃の華奢な体型とは見違えるようになるはずですね!
羊毛として利用する部分を刈り始めます。
前号でご紹介した Bowen Technique (ボウエン・テクニック)で、均等な長さにどんどん毛が刈られていきます。





動物虐待ではありませんよ!
反対に、羊は気持ち良さそうにうっとり大人しくしています。


羊がヤギみたいになってきました。
刈り取った毛も綺麗につながったままです。
ショーで刈った毛も、しっかり回収します。

見事終了です。
ショーとして行っていても、刈り始めてから3分と経っていません。
まさに、「匠の技」。
今日もいい仕事をしました!


さて、裸になった羊ですが、まだ出番は続きます。
「寒くなって可哀想・・・?」
なんて思ってしまいますが、一晩小屋に入れておけば、翌日には皮下脂肪が倍の厚さになります。
羊にとっても、年に2回毛を刈る事は、体に良い事なんです。
毛を刈る時、羊の手足を自分の思い通りに動かす方法があります。


付け根をぐいっと押すと、曲がっていた手足もご覧のように、ピョン!
プレッシャー・ポイントと呼ばれるそうですが、何となく、人間の膝をコン叩くと、ピクンと動くのを思い出しますよね。

大変お疲れ様でした。
出番終わって、下手から退場です。
半年後にまた会いましょう (^-^)/~~


毛刈りが終わって、休む間もなく、何やらステージで説明が始まりました。
もう一方の主役達、ステージに勢揃いした羊は、お休み体制に入っています・・・。

熱心に説明が続きます。
頭を抱えて、うーーーん、と悩んでいるのでしょうか?
訳が分からなくて、踊り始めたんでしょうか??
いったい何をしているんでしょう???


声をお聞かせできないのが残念ですが、これは羊の競り(せり)の様子を再現しているんです。
「競り」。英語でいうと、Auction(オークション) または Bidding(ビッディング/ビディング)。
英語にすると、なんだか高尚に聞こえます!
魚市場の競りも独特の声と節回しですよね。
浪花節のように味のある声ではありませんが、よく洋画のアンティーク・オークションのシーンで見かけるように、イギリス系の人達のオークションも独特の歯切れの良いテンポで値段が連呼されます。
入札の意思表示は、頭に手を当てたり、頬をさすったり、ちょっとした体の動きで表現します。
写真は、その説明をしていたんです。
そして、値段を連呼しながら、参加者(会場のお客さん)が入札の意思表示をすると、威勢良く Bid(ビッド)!「入札」とかけ声をかけ、さらに値を上げて競りを続けます。


SOLD!
ソールド!
売った!
一番高い値を入札した人が、威勢の良いかけ声と共に落札しました。
もちろんショーですから、お客さんが本当に意思表示をしたかしないかに関わらず、ショー・マンの気分で落札者が選ばれステージへと呼ばれます。
先日、アグロドームの経営者・お父さんのウォーレンから伺った話では、確かシェーン君はまだ25才との事。
やっぱり好みの女の子を選んじゃいますね!?

落札者は「購入した」訳ですから、支払いをしないといけません。
ショー・マンは、「毎度あり♪」と落札額で請求します。
値段も、ショーを盛り上げている最中どんどん高くなっていますし、突然選ばれたお客さんはステージ上でどう反応して良いか分からず、照れ笑いをするしかありません。
お金がないと分かると、「良い鞄を持ってるね♭」とか、「高そうな腕時計をしてるね $$ 」とか、会場の拍手と一緒にからかって遊んでみます。


「それじゃ、今日は特別ただで羊をあげましょう」と、“手のひらサイズ”の羊をプレゼントです。
女の子も嬉しそうに客席に戻っていきました。



続いて牛の登場です。
会場から4人選ばれ、乳搾り体験!
説明を聞きながら「どうやるんだろう?」と、こわごわ挑戦です。
おっかなびっくりですから、お乳もなかなか出てきません。
そういう時は、ショー・マンが、牛の尻尾をポンプ代わりにお手伝いです!


